世間的な知名度はまだあまりないものの、世界で一番うまい日本酒を決めるSAKE COMPETITION 2017(サケ・コンペティション)という日本酒の品評会が今年も行われたので、取材がてら現地に行ってきました。
この賞はよくある地方の日本酒品評会ではなく、農林水産省や経済産業省、内閣府、外務省等が後援している、日本最高峰の日本酒コンテストになります。
SAKE COMPETITIONとは…
日本一美味しい市販酒が決まるきき酒イベント、出品酒世界最多、唯一日本酒だけのコンペティションとして今年で6回目を迎えます。
(中略)
私共は、日本酒の品質を正しく評価し、料理に合わせておいしい日本酒の選択基準を作りたいと考えました。そのためには、日本に流通しているできるだけ多くの日本酒を集め、同じ人間が一斉に評価をする必要があります。それが2012年より開催している「SAKE COMPETITION」です。
本来日本酒は“國酒”であり、国内および世界に認められるべき酒質を備えています。世界の日本酒の基準をつくり上げ、多くの消費者に知っていただく必要があります。SAKE COMPETITIONを重ねることにより、日本酒が世界各国の食中酒として選ばれるべく、品格及び飲用特性の評価基準を明確にしていきたいと考えております。
【出品総数】:
453蔵、総出品数 1730点(海外出品 8蔵、22点を含む、内1点は純米酒部門に出品)
【部門】:
全6部門
純米酒部門448点・純米吟醸部門518点・純米大吟醸部門414点・吟醸部門196点・Super Premium部門62点・発泡清酒部門71点
【協賛】:
ダイナースクラブ、RIEDEL
【後援】:
農林水産省、経済産業省、内閣府、外務省
今回、SAKE COMPETITION 2017に出品された日本酒総数は海外からの22点を含む1,730点。そして出品した蔵元の数は453蔵と、過去最大の規模で行われました。
そうなると余計に気になるのが、どの日本酒が各部門1位を取ったのかどうか…ですよね。早速、現地の様子等を絡めながら、SAKE COMPETITION 2017で受賞した日本酒を紹介していきたいと思います(全部紹介すると大変なので、純米酒、純米吟醸、純米大吟醸、Super Premium部門の4つを紹介)。
※この記事は2017年時点での記事ですが、商品紹介やリンク等は最新のものに張り替えております。
SAKE COMPETITION 2017受賞作品:
純米酒部門:
まずはみなさんにとって馴染みが深く、一番安く購入することが出来る純米酒部門から。受賞作品は下記の通りとなりました。
- 1位:作 穂乃智
- 2位:作 玄乃智
- 3位:雨後の月 特別純米 呉未希米
しかも1位と2位は同じ清水清三郎商店の「作(ざく)」が受賞。会場で1位が発表された時には、どよめきがしばらく収まらなかったくらいです。
ちなみにSAKE COMPETITIONでは、審査員の個人的な思い入れ等によって受賞作品が変わらなうよう、ラベルや瓶をアルミホイルで囲って審査を行っています。
そのため、清水清三郎商店の作が1位&2位を取ったのはワイロでもなんでもなく、純米酒としての完成度が高かったからで間違いありません。
特に作 穂乃智や玄乃智は1,00円台で購入可能な低価格の日本酒。
美味しいと評価される日本酒を試しに飲んでみたい…という方は、この機会に購入して味わってもらえればなと思います。
※SAKE COMPETITIONの受賞効果は凄いようで、Amazonでは作 穂乃智にプレミア価格が付いて9,000円で売られていました。1.8リットルの一升瓶とはいえ、その価格はさすがにボッタクリ過ぎだったので、購入する際には下記の楽天市場で買ったほうがお得です(三重県の酒屋さんなので良心的な価格です)。
純米吟醸部門:
次に酒蔵さんが一番力を入れることが多い、日本酒の基本とも言える純米吟醸部門の受賞作品は下記の通り。
- 1位:土佐しらぎく 純米吟醸 山田錦
- 2位:勝山 純米吟醸 献
- 3位:美丈夫 純米吟醸 弥太郎
実はSAKE COMPETITONの純米吟醸部門といえば勝山…というくらいに、勝山の天下だったこの部門で、いきなり土佐しらぎくが1位になったというのは驚きでしたね。
会場でも驚きをもって受け止められたようです。
尚、こちらの土佐しらぎく 純米吟醸 山田錦についても、残念ながらAmazonで品切れ or 取扱がないようなので、楽天市場で購入するのが良い感じ。金額も2,000円以下で販売されているので、世界一うまい純米吟醸を飲みたいなら購入してみてください。
純米大吟醸部門:
続いて日本の最高傑作とも言える、純米大吟醸部門の受賞作品は下記の通り。
- 1位:開運 純米大吟醸
- 2位:東魁盛 純米大吟醸 斗瓶取り
- 3位:鳳凰美田 別誂至高
正直、日本酒にあまり詳しくない方だと聞きなれない銘柄ばかりなので、『もしかして獺祭とか十四代とか浦霞とかって出品されてなかった?』と思ってしまうかもしれませんが、それらの日本酒をすべて抑えてのこのトップ3です。
つまり、獺祭や十四代で感動したことがある…という方は、これらの日本酒を飲むとそれ以上の感動を味わえる可能性あり。そしてその頂点が「開運 純米大吟醸」なので、最高峰の日本酒を飲んでみたい…という方はちょっと高いですが購入を検討してもらえればなと思います。
Super Premium部門:
SALE COMPETITION 2017、最後の目玉はSuper Premium部門。
要するにとにかく贅を尽くした日本酒の中で、一番うまいと言われた「この世で一番うまい日本酒」を決める部門です。
気になる受賞銘柄は…というと下記の通り。
- 1位:七賢 純米大吟醸 大中屋 斗瓶囲い
- 2位:極聖 純米大吟醸 天下至聖
- 3位:勝山 純米大吟醸 廉
SAKE COMPETITIONで頻繁に上位に顔を出していた、七賢さんの大中屋 斗瓶囲いが見事、1位を受賞した形となりました。
気になるお値段は?
ここでみなさん興味があるのは「七賢 大中屋 斗瓶囲いってどのくらいの値段なの?」ということですよね。
なにせSuper Premium部門の受賞銘柄ですから、下手すると3万や4万円しちゃうんじゃないか…と思われた方は多いかもですが、実際には1万円弱で購入できる日本酒なので、決して庶民には手が届かない1本ではない感じ。
そのため、自分自身の誕生日プレゼントとして購入してもいいですし、父の日や取引先へのプレゼントなどにも最適なので、是非、なにかの記念日を祝う1本として、堪能してもらえればなと思います(下記はひとつグレードの下がる七賢 大中屋 純米大吟醸)。
SAKE COMPETITIONへの出品が増えている理由:
SAKE COMPETITIONでは年々、品評会に出品される日本酒の酒蔵&銘柄が増加傾向にあります。
この理由は単純で、この賞でGOLD(金賞)やSILVER(銀賞)を受賞すると日本酒の売上アップが見込めるため。そして見事、各部門の1位にでもなれば、その日本酒は世界一うまい酒として口コミでみるみる広まる効果まであるとあっては、どこの酒蔵さんも必至でこの賞を取ろうとしてくるのですね。
ちなみに各部門を受賞した杜氏(日本を作る人)によっては、受賞に感極まって舞台上で泣いてしまう方もいるほど。そのくらいにみなさん、SAKE COMPETITIONにかける想いは強いようです。
ダイナースクラブ若手奨励賞は山梨銘醸:
尚、今回のSAKE COMPETITION 2017では、35歳以下の作り手を応援する目的で「ダイナースクラブ若手奨励賞」もあわせて発表されました。
こちらの受賞酒造はなんと、Super Premium部門1位を取った七賢 大中屋 斗瓶囲いを作っている山梨銘醸さん。
今後はダイナースクラブカードの会報誌であるSignatureで特集が組まれたり、ダイナースクラブ会員へのプレゼント企画やポイント交換アイテムとしても使われるとのことなので、一気に七賢 大中屋 斗瓶囲いが有名になっていくことでしょう。
まぁ、しばらくは品薄&プレミア日本酒化してしまって、入手が限りなく難しい日本酒になることが予想されるため、どうしても大中屋 斗瓶囲いを飲んでみたい…という方はダイナースクラブのポイントを利用しての入手も現実的なのかもしれませんね。
以上、この世で一番うまい日本酒を決める、SAKE COMPETITION 2017に行ってきた!純米酒や純米大吟醸部門で1位になった日本酒とは…という話題でした。
参考リンク:
今回受賞した日本酒以外にも、もっともっと美味しい日本酒を飲んでみたい…という方は下記記事も参考に。
過去、私自身が実際に飲んでみて、「これは激ウマだ!」と思った日本酒のみを紹介しています。